母が最近、父や親戚の悪口を、多く言うようになりました
80代の母ですが、最近、父や親戚の悪口が多くなり、話を聞くのがつらくなってきました。
やはり、我慢して聞いたほうがいいのでしょうか。
「自分が、これだけ苦しい思い、悲しい思いをしてきたことを、分かってほしい」
という心の表れではないでしょうか
年を取ると、愚痴っぽくなる、といわれることがあります。もともとそういう愚痴っぽい性格の人なのだろう、という考え方もありますが、しかしこのお母さんの場合、「最近、悪口が多くなった」と言われていますので、それまでは、それほど悪口は多くなかったのだと思います。
今までは、そんなに人の悪口を言う人ではなかったのに、最近多くなってきたのはなぜなのか。私が時々経験するのは、それまで「よい妻」「よい母」でなければならないと、我慢してきた人です。
今80代ということですから、その方が結婚し、子育てをしていた時期というのは、昭和の半ば、日本の伝統的な価値観がまだまだ残っている時代だったと思います。いわゆる「家父長制」といって、家の中では父親が権力を持ち、妻は夫に従うのが当然とされていました。また個人よりも、家の体面を保つことが優先され、親戚づきあいなどでも、女性の意見や都合などは後回しにされることが少なくなかったと思います。
(『月刊なぜ生きる』令和4年4月号より)
◆ 明橋大二先生のハッピーアドバイス
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