介護施設に入る時が来たら

皆さんは日頃から健康に気をつけ、体力の維持に努力しておられると思います。健康には、食事、運動、睡眠の三つが大切だといわれます。体によいものを食べ、体に悪いものは食べないこと、自分に合った運動を続けること、良質な睡眠を十分取るように心掛けたいと思います。

そのようにして健康寿命を延ばし、家族に負担をかけずに、住み慣れた自宅で生活できることで、より豊かなシニアライフを送ることができます。しかし、身体の都合や認知機能の低下によって、自宅での生活が困難になっていくことがあります。そうなると介護施設に入ることを検討しなければなりません。

保証人がいないと施設に入れない……!

施設と契約をする場合には、保証人が必要となります。保証人には連帯保証人と身元保証人があり、同じ人が兼ねる場合が多いのですが、それぞれの役割は異なります。

連帯保証は、金銭の支払いを保証するもので、施設の利用料や退去時の原状回復費用の支払いなどについて、ご本人とともに支払責任を負うものです。

これに対して身元保証は、入居される人が抱えるさまざまな問題に対応するという役割が求められます。例えば、施設で病気になって病院に運ばれた場合、施設のスタッフは病院まで付き添ってくれますが、入院の手続きなどはしてくれません。その場合は身元保証人にバトンタッチして、後のことは身元保証人が対応することになります。

家族の代わりに保証人になるサービスがあります

入居者の家族が連帯保証人と身元保証人になることが一般的ですが、家族がいない場合には困ります。

また、家族が遠方にいる場合、連帯保証人になることはできますが、身元保証人にはなれない場合があります。身元保証人は何かあった場合に、すぐ施設に駆けつける必要があるからです。

保証人がいない場合、施設に入ることができないということになりますが、このような場合、家族の代わりに保証人になるサービスがあります。

私が理事を務めている一般社団法人シニアサポート北陸でも身元保証サービスを提供していますが、身元保証で困っている人はたくさんおられます。

身元保証サービスを提供する法人(身元保証法人)では、身元保証以外にもさまざまなサービスを提供しています。施設を選ぶ段階で、施設の見学に同行したり、契約に立ち会ったりすることも可能です。

施設を選ぶ時、候補はたくさんあり、それぞれインターネットやパンフレットなどで宣伝がされていますが、それらの情報だけで決めることはお勧めできません。やはり、実際に施設の中を見学して、自分の目で確かめることが大事です。実際にスタッフの人と会い、入居しておられる方の様子も確認することで、自分に合っているかどうか、ある程度の判断ができます。また、施設によっては、体験入所といって、短期間、施設に入所して実際の生活を経験できるところもあります。

(『月刊なぜ生きる』令和5年2月号より)

続きは本誌をごらんください。

『月刊なぜ生きる』令和5年2月号
価格 600円(税込)