【試し読み】Q「あなたは、ここにいなくてもいいよ」と 周りから思われているようで、不安です
私が挨拶したのに、相手が顔をそらしたり、ちゃんと言葉を返してくれないと、「嫌きらわれているのかな」と心配になってしまいます。精一杯、仕事をしているつもりですが、上司からも、周りからも、評価されていない気がします。今にも、「あなたは、ここにいなくてもいいよ」と言われてしまいそうで、とても不安になることがあります。信頼している友達に相談すると、「そんなこと、誰も思っていないよ。考えすぎだよ」と笑われてしまいました。それでも、私は、周りの人の言葉や表情が、とても気になってしまうのです。どのようにしたらいいでしょうか。
自分に自信が持てない原因は、周囲にあるのではなく、あなたの心にあると思います
こちらが挨拶しても、相手に顔をそらされたり、無視されたりすると、不安になりますよね。「自分は嫌われているのかな?」「何か機嫌を損ねることを言ったかな」と心配になる気持ちはよく分かります。私のところにもそのような悩みを抱えて相談に来る人はよくあります。
確かにそういう可能性はゼロとはいえないので、一応、信頼できる友達や上司に、一度は確認してみることは必要だと思います。しかしその時に、「そんなこと、誰も思っていないよ。考えすぎだよ」と言われたら、私はそれ以上心配する必要はないのではないかと思います。
世の中には、考え事をしていると、周囲の音が耳に入らず、挨拶をされても気づかない人があります。無視しているつもりはないのですが、気づかないのです。
ですからそういう人から挨拶が返ってこなかったら、一度、目の前に顔を近づけて、「おはようございます!」と大きな声で言ってみてはどうでしょうか。きっとびっくりして、その後、「気づかなくてごめんごめん!」と謝ってくると思います。
ただ、この方の場合は、挨拶だけではなく、仕事においても、自分に自信が持てないので、「自分は必要とされていないのではないか?」と不安になることが多い、ということですね。
おそらく挨拶や仕事だけではなく、何事においても自分に自信が持てず、周囲にどう思われているか常に気になってきたのではないでしょうか。
その場合、原因は、周囲にあるのではなく、あなたの心にあるのではないかと思います。
例えば、色眼鏡を考えてみてください。赤い色眼鏡をかけていると、周囲のものがすべて赤く見えてしまいます。白いものまで、赤く見えてしまいますが、色眼鏡を外せば、「なんだ、白じゃないか」と分かります。
それと同じように、心に、物事をマイナスに見る(ネガティブに見る)色眼鏡をかけていると、周囲がみんな自分を悪く思っているように思えたり、すべての出来事を悲観的に考えたりするようになってしまいます。その場合は、どれだけ頑張っても、周囲が自分を評価してくれるとは思えず、不安はなくなりません。なぜなら、原因は、あなたが心にかけている色眼鏡にあるからです。その場合必要なことは、際限なく頑張り続けることではなく、色眼鏡を外すことです。あるいは自分が色眼鏡をかけていることを自覚することです。
(『月刊なぜ生きる』令和3年3号より一部抜粋)
このあと、物事をネガティブに見る色眼鏡をかけてしまう原因について、大きく3つに分けて明橋医師が解説します。
全文をお読みになりたい方は、本誌をごらんください。