古典の名作『歎異抄』をアニメの世界によみがえらせた 映画プロデューサー 追分史朗さん

司馬遼太郎さんが「無人島に、1冊もっていくなら『歎異抄(たんにしょう)』」と語った古典の名作『歎異抄』が、親しみやすいアニメ映画に。心の世界を語る名言集の映像化に挑戦し、見事な大ヒット作品「歎異抄をひらく」(令和元年公開)に仕上げたのが、映画プロデューサー、追分史朗(おいわけ しろう)さんです。映像にロマンを追い求める硬骨の映画人にお話を聞きました。

ジェットコースター・ムービーでは
生きる力は育たない

──日本映画の現状をどう思われますか。

単純で分かりやすいものばかり作る傾向がありますが、それは問題だと思います。食べ物でも、子供の頃は大人の味は分かりませんが、だからといってソースやケチャップばかりかけて食べていると、そういう単純な味しか分からない大人になってしまう。映画でも多少、食べづらい、消化不良を起こすようなものも見続けないと、世の中全体の読解力のようなものが落ちていってしまうと思うのです。

だから「歎異抄をひらく」でも、何もかもかみ砕き過ぎて、本来の意味までずれてしまってはいけないと思いました。こうした咀嚼力の必要な映画がなくなると、日本全体の映画に対する咀嚼力、想像力が乏しくなってしまいます。

ただぼうっと座っていたら、楽しませてゴールへ連れていってくれるジェットコースター・ムービーばかりでは、想像力、生きる力は育ちません。それにはエネルギーも忍耐力も必要です。昔は子供もじっと座って、落語や浪曲でも聴いていました。そうやって社会全体で咀嚼力を持たないと、芸術文化における表現というものが先細りしていくのではないでしょうか。

(『月刊なぜ生きる』令和2年11月号より一部抜粋)


『歎異抄』は奥深い世界観ゆえに映像化に苦心されたそうです。本誌では、観客に寄り添うための工夫や、映画プロデューサーの醍醐味を語っていただきました。

全文がお読みになりたい方は、本誌でごらんください。


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