【試し読み】年を取ると、体の都合も悪くなり、不安なことが増えていきます|明橋大二先生のハッピーアドバイス

60歳・女性

60歳になり、孫も生まれ、これからの自分の行く末がどうなるのか、いろいろと考えてしまいます。年を取ると、あちこちと体の都合も悪くなり、できないことが増えてくるのも不安です。今まで頑張ってきたのに、「なんで!」と思うこともあります。だんだん年を取っていくことを、どのように受け止めていけばいいでしょうか。

明橋大二先生

「人生も終わりに近づいた」と悲観する必要はありません

60歳というと、ちょうど還暦くらいの年齢になりますね。確かに昔なら定年退職、そろそろ人生の終盤、といった感がありましたが、最近はそういう考え方は随分様変わりしているようです。

(中略)

最近では、「人生100年時代」という言葉が取り沙汰されるようになりましたが、これは決してオーバーなことではなく、実際100歳以上の高齢者人口も、年々過去最多を更新し、令和2年9月には、8万人を突破したことがニュースになりました。

そうなりますと、20歳で成人式を迎えてから、60歳は、100歳までのちょうど半分、折り返し地点ということになります。まだまだ人生道半ばだということです。

確かに体力的には若い時のようにいかないこともありますが、それも適度な運動により、ある程度維持することは可能です。

また、脳の活動について以前は、10代までに一定の発達を遂げたあと、徐々に脳細胞は減っていき、萎縮していく、脳の体積も減っていく、といわれていました。

それは事実なのですが、その一方で近年、脳の一部では、年齢を重ねても新たな神経細胞が作られること、また、脳には外部からの刺激によって変化する力があることが分かってきました。ですから、適切な生活習慣や日頃の心掛け次第で、脳の老化を遅らせたり、新たな能力を獲得することも可能だ、ということが明らかになってきたのです

ですから、60歳といっても、「もう人生も終わりに近づいた」と悲観する必要は全くなく、むしろこれからが、人生の収穫期、日々人生を謳歌できる可能性があるということです。

そういう意味で、60歳で一律に定年にするという制度は、今後は撤廃したほうがよいのではないかともいわれています。もちろん給料の見直しや、若い人に仕事を回すことも必要ですし、一つの区切りとしての意味はあると思いますが、それは決して人生の終わりではなく、第一ステージが終了し、次のステージが始まった、ということにすぎないのです。

「といっても、年を取ると仕事もなくなるし……」と言う人もありますが、そういう心配はありません。現在70歳前後の人口は1歳あたり約170万人いますが、逆に20歳前後の人は1歳あたり、120万人くらいです。一年ごとに70代の人が引退し、20歳前後の人が就職するとすると、毎年約50万人ずつ人手が足りなくなります。むしろ社会は、高齢者を人手として必要としているのです

そういう意味で、社会はまだまだあなたを必要としているし、引退を考えるのは早すぎます。ただこれからは、求められたことを義務的にするのではなく、自分のやりたかったこと、やってみたいことにぜひチャレンジしてほしいと思います

(『月刊なぜ生きる』令和3年5月号より一部抜粋)

続けて本誌では、年を重ねることによる10のメリットを明橋医師が紹介しています。

全文をお読みになりたい方は、本誌をごらんください。

全文をお読みになりたい方は『月刊なぜ生きる』令和3年5月号をごらんください。

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