【偉人たちと缶けり】北里柴三郎の「熱と誠」
偉人たちの生涯をひもとくと人生観が垣間見えます。
偉業を成し遂げたその眼には何が見えているのでしょうか?
今月号は、伝染病予防と治療に貢献した北里柴三郎(1853-1931)を取り上げます。
世界中で蔓延している新型コロナウイルス。
伝染病との闘いは、今から約100年前にもありました。
19世紀当時、香港で流行したペストの原因究明に挑んだのが北里です。
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今日のような医療用の防護服も手袋もない時代です。
いつペストにかかってもおかしくない過酷な環境で、正確に、速く、病原菌を特定しなければならない──。
北里の背中に、重圧がのしかかります。
スタッフ3名が感染、1名が死亡する中、昼夜不断で顕微鏡をのぞき続け、ついに見たこともない細菌を発見。
慎重に培養し、実験を行った結果、ペスト症状が、はっきりと認められました。
「これだ! この菌で間違いない!」
それは、永年にわたり人類を脅かし続けた、病原菌発見の瞬間でした。
治療法の確立に不可欠な病原菌の特定という偉業に、世界の研究者は称賛を送りました。
北里によって、不治の病と思われていたペストの治療に、道が開かれたのです。
その後、日本にもペスト上陸の危機がたびたび訪れますが、北里の努力によって難局を乗り越え、日本は、国内のペスト根絶に成功したのでした。
(『月刊なぜ生きる』令和2年8月号より一部抜粋)
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「疫病で苦しむ人々を救いたい」という夢を抱いた北里柴三郎が偉業を達成できた秘訣はどこにあるのでしょうか?
後輩たちに北里は常々「熱と誠があれば何事でも達成するよ」と助言していたそうです。
人々の幸福を願う誠実さと、何としても実現させたいとの熱意によって、救われた命がたくさんあるのですね。
この記事は、『月刊なぜ生きる』令和2年8月号に掲載されています。
全文がお読みになりたい方は、本誌でごらんください。