【試し読み】Q定年後の夫婦生活をうまくやっていくには?

65歳・男性

家族のために、一生懸命に働き、定年を迎えました。決まった仕事もないので、家で、ゆっくりしていると、妻が「今日は、どこへも行かないのですか」と、よく聞いてきます。なんか、空気が変なのです。「俺が家にいると、じゃまなのかな?」とさえ思ってしまいます。定年後の夫婦生活をうまくやっていくには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。

明橋大二先生

妻「今日は、どこへも行かないの?」
夫「自分が家にいるとじゃまなのかな?」
こんなことを感じ始めたら、要注意!


夫の気持ち「今まで頑張って家族のために
働いてきたのだから……」

夫としては、今まで定年まで家族のために頑張って働いてきたのだから、余生は家でゆっくりしたい、と思っています。

ところが家にいると、妻から「今日は、どこにも出掛けないの?」と聞かれる。仕事も退職したし、出掛ける用事もないので、基本的には毎日家にいる生活なのですが、妻からは毎日、「どこにも行かないの?」と聞かれる。繰り返し聞かれるうちに、「うちにいちゃだめなのか?」「自分が家にいるとじゃまなのか?」とさえ思えてくる。

これは、夫が定年後によくある典型的なパターンの一つでしょう。

夫の気持ちとしては、「今まで頑張って家族のために働いてきたんだから、これからはちょっと家でゆっくりさせてくれよ」という気持ちです。ご質問の文面からも、そういうお気持ちが見て取れます。


しかしちょっと考えてみてください。妻はどうでしょうか?

妻だって頑張って家族のために働いてきたのではないでしょうか。共働きの家だけでなく、たとえ専業主婦だとしても、家族のためにやるべき仕事はたくさんあります。家族のために一日三食ご飯を作り、掃除をし、洗濯をし、乾かしてたたむ。ゴミを分別して捨てる。買い物にしても、日々の食材だけでなく、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、洗剤、清掃用品、消臭剤、調味料、ゴミ袋、お菓子や飲み物、などなど……。それらが切れることなく、家に常時あるのは、たいてい妻がきちんと管理して買い足しているからです。

では、そういう家事仕事に、退職、ということはあるでしょうか?

「ああ、今日まで家族のために頑張って家事をしてきたけど、今日をもって定年退職。今日からはもう家事はやらなくていいのね!」ということはあるでしょうか。ありません。そうです、主婦業に定年はないのです。


(『月刊なぜ生きる』令和3年2月号より)

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