【3月号 試し読み】億万長者も一夜の夢 「奈落の底」で出会った『歎異抄』の名言

億万長者も一夜の夢
「奈落の底」で出会った『歎異抄』の名言

通信ソフト開発 株式会社メテム
代表取締役社長 佐藤信次郎さん

「人間の本質が見えてビジネスも楽しくなった」

有料の電話情報サービスのために開発した
商品が爆発的に売れて、
億万長者となったのも束の間、
大金はいつの間にか消えて、
「奈落の底」に―。

一時は「死」も覚悟した
佐藤信次郎さん(69)だったが、
通信ソフトの開発事業を再び軌道に乗せ、
現在は、東京・日本橋にオフィスを構える。

その復活劇の原動力となったのは、
古典の名著『歎異抄(たんにしょう)』
との出会いであったという。

そこで得られたビジネスの指針とは何か。
佐藤さんを訪ねた。

◆◇◆◇◆◇

佐藤さんがおもに開発するのは、
電話とコンピューターをつないだ
独自の顧客支援システムだ。

コールセンターの自動応答システムや、
テレビ電話会議予約システムなどの
開発商品は多岐にわたり、
技術力は他社の追随を許さない。

「いろんなアイデアを提供するのは
 楽しいですよ」

と資料を広げてにこやかに説明してくれる
佐藤さんだったが、

現在の事業を築くまでには、
「この世の奈落を見る思いもしました」
と振り返る。

昔見た映画の一場面を思い起こすように
語ってくれたのは、バブル経済の崩壊前夜
時代が平成を迎えた頃のことである。

——————————-

今の日本を築いたお年寄りを
    孤独死から救う事業を

——————————-
「世のため人のためになる事業をやりたい」

と、通信会社を退職し、
東京・武蔵野市に会社を設立したのは
平成二年、四十歳の時だった。

当時、テレビからは、独居老人の孤独死を
伝えるニュースがしきりに流れていた。

「今の日本を築いた人たちが、
 助けを求めることもできずに
 亡くなっていくのはおかしい。
 何とか助ける方法はないか?」

そんな思いで考案したのが、
ある特定の番号に電話した人たちが互いに
電話を通じて話し合えるシステムだった。

「独り暮らしのお年寄りたちに、
 その電話番号を伝えれば、
 必要な時にいつでも
 話し相手が見つかるのです」

多くの人が匿名で話し合える電話交換装置
(高さ約五十センチ、幅約百センチ、
 奥行き約二十センチ)を開発して、
老人ホームや市役所などに持ち込んだが、
反応はいま一つ。

結局、一台も売れなかった。

箱根温泉で友人が開いてくれた残念会で、
会社をたたむことも考えていた時、
ポケットベルが何度も鳴った。

会社の受付を依頼していた秘書代行会社に
連絡すると、

「佐藤さんの出した新聞広告に、
 問い合わせが殺到しています。
 何とかしてください!」

悲鳴のような声が耳に響く。

その日から、人生が変わった―。

(・・・本誌につづく)

その後、事業が大当たりし、
億万長者に登り詰めたものの、
様々な荒波が押し寄せ
自らの死を考えるところまで
追いつめられてしまったそうです…。

しかし、7年前に『歎異抄』と出会い、
古今変わらぬ人間の本質を知らされ、
今では生きる事もビジネスも楽しくなった
という佐藤さん !(^^)!

『歎異抄』のどんな言葉に救われたのか―

気になる方は本誌を
チェックしてみてくださいね♪

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