Q定年退職してから、気力がわかなくなりました
A「荷おろしうつ病」のような状態では?

70代・男性

私は現役時代は一生懸命働き、定年退職をしたらこれまでできなかったことを目一杯やろうと思って頑張ってきました。ところが、いざ定年退職をすると、あんなにやりたいと思っていたことへの気力がわかなくなってしまいました。どうすれば気力を取り戻すことができるでしょうか。

明橋大二先生

「荷おろしうつ病」のような状態では?

現役時代は、会社のため家族のために一生懸命働いてきて、定年退職を迎えられたのだと思います。解放感いっぱいで、これからは自分の趣味に思う存分打ち込める、そんな楽しい生活を思い描いていたのに、いざ退職を迎えると、気力もわかないし、やる気も出ない。以前なら楽しめたことも楽しめなくなってしまった、いったい自分はどうなってしまったのかと戸惑っておられるのだと思います。

実は私たち精神科医にとっては、このような悩みは、頻繁に受ける相談の一つです。

結論からいうと、おそらく「荷おろしうつ病」のような状態になっておられるのだと思います。

「荷おろしうつ病」とは、それまで取り組んできた大きな仕事や事業が一段落して、ほっと一息ついた時に、緊張感がほぐれ、精神的な疲れが一気に出てくることによって起こる症状です。

私たちは、大きな仕事や事業に取り組む時は、「さあやるぞ!」と戦闘モードになって、取り組みます。さまざまな困難があっても、頭をフル回転させて、緊張感をもってやり遂げようとします。このような状態が続くと、体が疲れるだけでなく、心も疲れていきます。しかし緊張感マックスで打ち込んでいる時には、そのような疲れを感じる神経が麻痺した状態になり、疲れ知らずに頑張ることになります。

ところが仕事や事業が一段落して、ほっと一息ついた時、その緊張感が解けると、今まで蓄積した心の疲れがどっと出てくるのです。その時に、心にぽっかり穴が空いたような状態になり、「だるい」「やる気が出ない」「何をしても楽しくない」「悲観的になる」「夜によく眠れない」という症状が出てくるのです。

(『月刊なぜ生きる』令和5年10月号より)

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