遺言書は、亡くなる直前に書くものではない
いつ遺言書を書くか
前回は、内容をよく考えて遺言書を書くことが大切であると説明しました。
遺言書は亡くなる直前に書き残すものと思っている人も多いようですが、そうではありません。遺言書は元気なうちに書いておくものです。
介護を受けるようになってから遺言書を書いたような場合、認知症で判断能力が失われていたから無効だと言われることがあります。そして、裁判となり、病院のカルテや介護施設のケース記録によって、身体や精神の状態を確認するということにもなります。争いをなくすために遺言書を書いたのに、そんなことになってしまってはとても残念です。
ですから、遺言書は元気なうちに、できるだけ早めに書いておくことが大切です。私には苦い経験があります。
遺言書を作りたいという依頼があり、何回か打ち合わせをして、公証人役場に行って遺言書を作成する日程も決まっていたのですが、その方が突然亡くなられたのです。その方が考えておられたことはすべて幻と消えてしまいました。死はいつやってくるか分かりません。一日でも早く遺言書を作っておくべきだと教えられました。
また、遺言書は何回でも書くことができ、複数の遺言書が見つかった場合には、日付の最も新しい遺言書が有効になりますので、今考えておられる内容を遺言書に書いて、あとで考えが変わったら書き直せばよいのです。
(『月刊なぜ生きる』令和5年8月号より)
続きは本誌をごらんください。
『月刊なぜ生きる』令和5年8月号
価格 600円(税込)