【新連載・試し読み】寝たきりにならず、いつまでも自分で自分の生活ができるように|転ばぬ先の杖
平均寿命が延びることは何よりも喜ばしいことです。しかしながら、私たちみんなの願いは、長生きをするだけでなく、やがて来る最後の日まで心穏やかに、そして健康で元気に天寿を全うすることに違いないのです。
整骨院振興協同組合代表理事 近藤昌之
「病気の予防」だけでは、
健康にはなれません
厚生労働省は、介護が必要となった人の主な原因は、
認知症
脳血管疾患
高齢による衰弱
骨折・転倒
関節疾患
の順になっていると発表しています。これらがサルコペニア(全身の筋力低下が起こること)やフレイル(心身の虚弱)といわれる状態を引き起こします。どれもなっては困るものばかりです。これらにならないようにするためには、病気の予防はもちろんですが、食事、睡眠、そして正しい運動がとても効果的といわれています。
運動機能が低下すると、骨や筋肉が弱くなるばかりでなく、栄養や酸素を送る血液が内臓や各組織に適切に届かなくなってしまいます。そのため、多くの疾病の原因となったり、身体機能の低下を起こしたりしていくのです。
「運動したいけど、体が痛くて……」
その悩みを解消するために
私ども接骨院や整骨院では健康寿命を延ばし、平均寿命と健康寿命との差を少なくすることに全力で取り組んできました。私たちの医学の基本である「整え医学」、すなわち緩める・整える・鍛えるという考え方がとても有効に作用するからです。
運動したくても痛みがあれば積極的に運動することができません。接骨院・整骨院では運動を構成する骨・筋・皮膚に対して、固いところを緩めるという治療を行います(緩骨・緩筋・緩膚)。これで痛みの原因である神経の圧迫を取り除き、血液の流れを改善していきます。その結果、痛みが薄れてくるのです。
次に、緩めた骨や筋肉・皮膚に対して、本来の正しい位置に整えていきます(整骨・整筋・整膚)。多くの人が、骨格のアンバランスや日常生活の癖で歪みを生じているのです。歪みは血管や神経を圧迫し、痛みの原因となり運動の障害も起こすようになります。整えられた正しい姿勢の身体は、本来持っている機能を高め、最高のパフォーマンスを実現します。
正しい運動を行える正しい姿勢は、運動機能だけでなく、血液の流れをよくし、心肺機能や消化器や循環器にもよい影響を与えてくれるのです。
この正しい姿勢での適度な運動は、骨や筋肉、皮膚を強く丈夫にしてくれます( 鍛骨・鍛筋・鍛膚)。
老化に負けないためには、自分の身体を鍛える運動が必要なのです。
(『月刊なぜ生きる』令和3年8月号より)
新連載の【転ばぬ先の杖】はいかがだったでしょうか?
このコーナーでは、健康に役立つ記事を毎月連載していきます。
全文をお読みになりたい方は本誌をごらんください。
『月刊なぜ生きる』令和3年8月号
価格 600円(税込)