【試し読み】Qどうすれば親子関係を取り戻すことができるでしょうか
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どうすれば親子関係を取り戻すことができるだろうか、と悩んでいます。30歳を過ぎた息子は、露骨に親に反発してきます。
高校までは、とても素直でいい子でした。それは、「甘やかしてはいけない」と思って厳しくしていたので、表面だけ合わせていたのかもしれません。
「これから、将来、どうするんだ」と聞くと、「ふん! 心配なの? もっと早く心配してほしかったよ」と息子は、横を向いてつぶやきました。親として、本当にかわいそうなことをしたと思っています。
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子どもの反抗は、心のSOSなのです。
反抗してきた今こそ、親子関係修復のチャンス!
「もっと早く心配してほしかったよ」という言葉の奥には、単なる憎まれ口ではなく、自分が本当につらい時に親は気づいてくれなかった。どうして気づいてくれなかったのか、という心の叫びがあります。
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とするならば、ここは売り言葉に買い言葉で「何だよ! こんなに心配してやっているのに!」などと返さずに、冷静に、「そうか、もっと以前に、心配しなきゃならないことがあったんだな。それほど苦しい思いをしていたのに、ちっとも気づかないで悪かったな」と伝えるのです。そして、「どんなことがあったのか、よかったら聞かせてもらえないか?」と聞くのです。
子どもは、「今さら遅いよ」と口を閉ざすかもしれません。しかしきっとそのうち、また憎まれ口をたたくことがあると思います。その時にまた、「聞かせてほしい」と伝えるのです。
そういうことを繰り返すうちに、子どもは重い口を開いてくると思います。
「だって、あの時、こんなことがあったんだよ。でも親は、ぜんぜんまともに取り合おうとしなかった。あの時、自分は親にも絶望したんだよ」というようなことを言ってくると思います。そのうち怒りはエスカレートして、涙まじりになるかもしれません。しかしそういう心の叫びをしっかり受け止めて、「気づかなくて悪かった」と伝えることで、子どもはようやく、親に自分の心のつらさを理解してもらえた、と思うことができるのです。
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もちろん、長年の心のしこりが、一度や二度の会話で解けることはないかもしれません。しかし間違いなく、このような会話を繰り返すことで、子どもは楽になっていくし、親子のわだかまりは解けていきます。
(『月刊なぜ生きる』令和3年1月号より一部抜粋)
本誌では、「手のかからない、いい子」「反抗しない、素直な子」は逆に心配!?など、マンガ付きでさらに詳しい内容を紹介しています。