【試し読み】Qどうすれば親子関係を取り戻すことができるでしょうか

62歳・男性

どうすれば親子関係を取り戻すことができるだろうか、と悩んでいます。30歳を過ぎた息子は、露骨に親に反発してきます。

高校までは、とても素直でいい子でした。それは、「甘やかしてはいけない」と思って厳しくしていたので、表面だけ合わせていたのかもしれません。

「これから、将来、どうするんだ」と聞くと、「ふん! 心配なの? もっと早く心配してほしかったよ」と息子は、横を向いてつぶやきました。親として、本当にかわいそうなことをしたと思っています。

明橋大二先生

子どもの反抗は、心のSOSなのです

反抗してきた今こそ、親子関係修復のチャンス!

「もっと早く心配してほしかったよ」という言葉の奥には、単なる憎まれ口ではなく、自分が本当につらい時に親は気づいてくれなかった。どうして気づいてくれなかったのか、という心の叫びがあります。


とするならば、ここは売り言葉に買い言葉で「何だよ! こんなに心配してやっているのに!」などと返さずに、冷静に、「そうか、もっと以前に、心配しなきゃならないことがあったんだな。それほど苦しい思いをしていたのに、ちっとも気づかないで悪かったな」と伝えるのです。そして、「どんなことがあったのか、よかったら聞かせてもらえないか?」と聞くのです。

子どもは、「今さら遅いよ」と口を閉ざすかもしれません。しかしきっとそのうち、また憎まれ口をたたくことがあると思います。その時にまた、「聞かせてほしい」と伝えるのです。

そういうことを繰り返すうちに、子どもは重い口を開いてくると思います。

「だって、あの時、こんなことがあったんだよ。でも親は、ぜんぜんまともに取り合おうとしなかった。あの時、自分は親にも絶望したんだよ」というようなことを言ってくると思います。そのうち怒りはエスカレートして、涙まじりになるかもしれません。しかしそういう心の叫びをしっかり受け止めて、「気づかなくて悪かった」と伝えることで、子どもはようやく、親に自分の心のつらさを理解してもらえた、と思うことができるのです。

もちろん、長年の心のしこりが、一度や二度の会話で解けることはないかもしれません。しかし間違いなく、このような会話を繰り返すことで、子どもは楽になっていくし、親子のわだかまりは解けていきます。

(『月刊なぜ生きる』令和3年1月号より一部抜粋)


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