Q娘が育児で疲れています。何か、娘のために、してやれることは?
A「娘の話を聞くこと」が、大きなサポートに

60代・女性

離れて暮らす娘が、育児で疲れているようです。娘夫婦は共働きで、娘の夫も子どもの面倒はよく見てくれているようですが、やはり家事の負担は娘のほうが多いようです。娘も働いているのですが、仕事と育児で相当疲れがたまっているようで、とても心配しています。娘のためにしてやれることはないでしょうか。

明橋大二先生

「娘の話を聞くこと」が、大きなサポートに

今は共働きの家庭が多く、夫も昔と比べるとずいぶん子どもに関わることが増えてきたとはいえ、やはり家事育児の負担は、母親のほうに行きがちです。

時には娘の家に泊まりがけで出かけて、しばらく家事育児を肩代わりすれば、娘さんもずいぶん助かるでしょうが、いつもいつもそのようにするわけにもいきません。「娘のためにしてやれることはないでしょうか」とおっしゃっていますが、そのような気持ちを持っておられること自体、娘さんにとっては大きなサポートになっていると思います。

では、離れて暮らし、仕事と育児に疲れている娘に何ができるかということですが、実はできることはたくさんあります。

それは何かというと、一言で言うと、「娘の話を聞くこと、そして娘を認め、ねぎらうこと」です。娘が疲れているといっても、半分以上は、実は、精神的な疲れです。子どもが言うことを聞かず、イライラする。夫も生まれ育った環境が違うので、考えが対立することもある。仕事の疲れ、同僚との人間関係など、ストレスの種は山ほどあります。だいたい、人が病む原因は、多くの場合、肉体的な疲れではなく、精神的な疲れなのです。しかし、そういうことを話せる場がなかなかありません。夫に話をしようとしても、夫も疲れていますから、聞いているうちに夫のほうがイライラしてきたり、聞いている間に居眠りしたりするので、話そうとしてもなかなかすっきりしません。

そういう時に、たとえ電話ででも、母親に愚痴を聞いてもらい、「大変だねえ」「疲れるのも無理ないよ」「よく頑張ってるよ」と言ってもらうだけで、すーっと気持ちが楽になり、また明日頑張ろう、という気持ちになれると思います。

(『月刊なぜ生きる』令和5年11月号より)

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『月刊なぜ生きる』令和5年11月号
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