Q孫が学校でいじめられるのではないか、と心配です
A親や祖父母にできること  まず、子どもの心に自信を育てる

70代・女性

孫を見ていると、不器用で、動作が遅いです。友達づきあいも下手なようです。このままでは、学校でいじめられるのではないかと心配です。どのようなことに気をつけて接していけばいいでしょうか。

明橋大二先生

親や祖父母にできること
まず、子どもの心に自信を育てる

お孫さんを見ていると、他の子どもよりできないところが目について、今後のことを心配されているのだと思います。いじめられるのではないか、と不安になるお気持ちもよく分かります。

いじめについては、本当はあってはならないし、学校もいじめの早期発見、防止のために力を尽くしていると思います。しかしそれでも、集団の中で人と関わる限り、その発生を完全に防ぐことはなかなか難しいことだと思います。

また、いじめというのは、何か欠点があるからいじめられる、ということではなく、どんな子どもでも、いじめのターゲットになる可能性はある、というのが現代のいじめの特徴です。

では親や祖父母にはどうすることもできないのか、ということですが、私はそれでも、親や祖父母にできることはあると思っています。それを三つお伝えしたいと思います。


まず、子どもの心に自信を育てることが大切です。

私たちは、ついつい子どものできていないところに注目して、それを指摘して、少しでも改善させようとします。それですぐ改善できる場合はいいでしょうが、特に子どもの性格や持って生まれた特性などは、指摘してすぐ改善できるものではありません。結果として、何度も注意したり、𠮟ったりすることになります。

そうすると次第に子どもは、「自分はダメな人間なんだ」「周りの人をがっかりさせるだけの存在価値のない人間」「いらない人間」と自分の存在自体を否定するようになります。

そうすると、たとえ学校でいじめられたとしても「自分はいじめられて当然の人間なんだ」と思って、抵抗することもできず、親や先生に相談することもできない、そんなことになりかねません。

ですから大切なことは、子どものできていないところ、苦手なことに注目するのではなく、まず、子どものいいところ、できることに目を向けて褒めていくことです。

(『月刊なぜ生きる』令和5年12月号より)

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『月刊なぜ生きる』令和5年12月号
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