人間は、いちばん大事なことを考えていない

先に、人生とは海のようなものであり、「生きる」とは一生懸命、「泳ぐ」ことだと言いました。大海に放り出された私たちは、ただ無意味に手足を動かしているのではありません。近くの板切れや丸太ん棒に向かって、「今はこれを目指す」という「目標」を持って泳いでいるのです。

人間は常に、「おいしいものを食べたい」「お金が欲しい」「好きな人と一緒に過ごしたい」「出世したい」「功績を残したい」という願望、欲求に突き動かされています。それら当面の目標に向かって、今日も懸命に泳いでいるのが、私たちの実態です。では、望んでいた丸太に泳ぎ着いたら、何が待っているのでしょうか。次から次へと丸太を所有して、その結末はどうなるのか。目先のことだけ考えるのではなく、100パーセント確実な未来を見通すことが、「人生の目的」を考えるということです。

パスカル*¹は「人間は考える葦である」と言いました。しかし同時に、「人間は、かれの本質をなす理性によって、行動しない*²」とも書いています。

発達した頭脳がヒトの最大の特徴ですが、その素晴らしい財産がどのように使われているのか、調べてみましょう。

*¹パスカル……17世紀のフランスの数学者・物理学者・哲学者

*²『パンセ』パスカル(著)由木康(訳)

(『月刊なぜ生きる』令和6年1月号より)

続きは本誌をごらんください。

『月刊なぜ生きる』令和6年1月号
価格 600円(税込)