「人生の目的」を考えるヒント
挑戦しましょう!
『徒然草』が投げかける世界一の難問に

古典『徒然草』は、約700年前の兼好さんが書いたエッセー集です。

四季の移り変わりや、笑える話など、心を引きつける内容が多く、江戸時代からベストセラーになっています。

実は、そんな『徒然草』の中に世界一の難問が記されていることに、お気づきでしょうか。

「この問題にハッキリ答えが出たら、あなたは、必ず人生の目的を達成して幸せになれますよ」と投げかけるエッセーを5つ選び、意訳してお届けします。

第38段 財産や名誉が増えると、幸せになれると思いますか

【意訳】名誉と利益を求める心に振り回され、心が休まる時もなく、一生涯、苦しみ続けるのは、実に愚かなことです。

財産が多いと幸福になれるでしょうか。

実際はその反対で、よけいに苦しみが増えていきます。

なぜなら、財宝は盗難などの災いを招き、面倒な争いを引き起こす原因となるからです。たとえ自分の死後に、北斗七星に届くくらいの黄金を残しても、子孫は決して幸せになれないでしょう。

では、名誉を手にすれば、幸福になれるでしょうか。

名誉を求める心は、人から「よく思われたい」「褒められたい」という気持ちです。ところが、褒めてくれた人も、それを聞いた人も、それほど長く、この世に残っていません。 

悪口を言われたら「悔しい」「恥ずかしい」と思いますが、言った人も、それを聞いた人も、すぐに死んでいきますから、気にしなくていいのです。

自分が褒められると自慢したい気持ちが出てきます。もっと多くの人に、自分の値打ちを認めてほしいと思います。しかし、すぐに死んでいく人に褒められたとしても、ほんのちょっとの間のことですから、たいしたことないじゃありませんか。

それよりも、褒められたことが原因となって、周囲から悪口を言われたり、ねたまれたりすることがありますので、よくよく気をつけなければなりません。

(『月刊なぜ生きる』令和6年2月号より)

続きは本誌をごらんください。

『月刊なぜ生きる』令和6年2月号
価格 600円(税込)


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