日本の古都・京都の「へそ」はどこ?|歎異抄の旅

私たちの体の真ん中には、「へそ」があります。

同じように、京都の中心にも「へそ」があるそうです。

冗談かと思ったら、京都市中京区の寺に「へそ石」があり、観光客に公開されているとか……。

さて、どこでしょうか。

ヒントは、聖徳太子によって創建されたという、非常に古くて有名な寺です。

特徴は、本堂の屋根の形が、六角形であること。

もうお分かりですね。


六角堂です。

今回は、親鸞聖人(しんらんしょうにん)と六角堂の関係を調べてみましょう。

(中略)

本堂の屋根が六角形なので、「六角堂」と呼ばれていますが、正しい名は紫雲山頂法寺(しうんざんちょうほうじ)。天台宗の寺院です。

山門から境内に入ると、本堂のすぐ前に、「へそ石」がありました。中央にくぼみのある六角形の石です。

境内にある「へそ石」


立て札には、昔の本堂の基礎石だと書かれています。約1200年前に、六角堂を北へ15メートルほど移動させた時に、一つ、置き忘れたのでした。

ちょうど京都の中心にあり、形がおもしろいので、「へそ石」と呼ばれるようになったのでしょう。境内のお茶所には、へそ石餅まで売っています。遊び心で、観光客へのサービスとして生まれたものに違いありません。

(中略)

六角堂の本堂は、土足のまま通り抜けられる造りになっています。天井を見上げると、
「見真大師(けんしんだいし)」
と大書された額がありました。これは、明治天皇が親鸞聖人の功績を讃えて贈った名前です。

六角堂の本堂に掲げられている親鸞聖人に関する額


さらに、その横には「見真大師御詠歌」として、

「寒くとも たもとに入れよ 西の風
 弥陀の国より 吹くと思えば」

が額に入れてありました。

しかし、何の解説もありません。おそらく六角堂を訪れる人の中で、この歌の背景を知る人は、ほとんどないのではないでしょうか。

親鸞聖人は、40歳過ぎから関東へ赴き、多くの民衆に仏教を伝えられました。

ある大雪の晩、親鸞聖人は道に迷ってしまわれたのです。

(『月刊なぜ生きる』令和2年10月号より)

本誌では、この歌が詠まれたエピソードや込められた思い、そして六角堂と親鸞聖人の関係をご紹介しています。