孫が、適応障害と診断されました
孫(20代女性)が職場での人間関係の悩みから、適応障害と診断されました。適応障害とはどんな病気でしょうか。
また、孫には幼い子どもがいるので、大丈夫だろうかと心配しています。どのように関わっていくのがいいでしょうか。
「適応障害」とは、本人と環境が「合わない」状態です
適応障害とは、強いストレスによって、日常生活に支障をきたすほどの、心の不調が現れる病気です。心の不調とは、ゆううつ、意欲が出ない、強い不安、涙もろくなる、などです。場合によっては、激しいイライラ、怒りっぽい、などの症状で出る人もあります。
適応障害は、原因となるストレスがはっきりしていることが特徴で、そのストレスとなる出来事が起きてから三カ月以内に発症し、ストレスがなくなると、六カ月以内に治るもの、とされています。中には、そのために、仕事に行けなくなったり、学校に行けなくなったりする人もあります。
よく、「うつ病」とどう違うのか、と聞かれることがありますが、「うつ病」と「適応障害」は、基本的に異なる病気です。「うつ病」は、脳の神経伝達物質のアンバランスによって起きる病気で、原因となるストレスやきっかけがはっきりしないことも多いです。
それに対して、「適応障害」は、原因となるストレスやきっかけがはっきりしています。また、治療についても、「うつ病」の場合は、脳の神経伝達物質のアンバランスによって起きますから、それを調整する薬が有効です。しかし「適応障害」は、ストレスの強い環境が大きな要因ですから、環境を改善する、あるいはよくない環境から離れることが必要になります。
ご相談の方の場合は、「職場の人間関係」と、ストレスの原因がはっきりしているようですから、「適応障害」と診断されたのだと思います。
ただ実際には、適応障害が長引くと、うつ病になることもありますし、うつ病でも、環境のストレスが関わっていることもありますから、両者が重なる部分もあります。
分かりやすくいうと、「適応障害」とは、本人と環境が「合わない」状態です。
(『月刊なぜ生きる』令和4年3月号より)
◆ 明橋大二先生のハッピーアドバイス
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