相手も自分も生かされる幸せな仕組み
SDGsを分かりやすく伝える

深井 宣光さん
一般社団法人SDGs支援機構事務局長

SDGs(持続可能な開発目標)って何だろう──。人種や性別、地域などを超え地球上のみんなが幸せになることを目指す国連の目標と知ってはいても、自分にできることは?となると戸惑う人は少なくない。そんな人にも、易しく解説してくれるのが、SDGs支援機構の事務局長、深井宣光(ふかいのぶみつ)さんだ。子ども向けに制作したアニメ動画や書籍は「分かりやすい」と大人の間でも評判を呼んでいる。誰もがチャレンジしたくなるSDGsの活用法を深井さんに聞いた。

子ども向けアニメが
大人にも大ヒット

SDGs支援機構の本社は東京にあるが、深井さんはふだん、「おわら風の盆」で知られる富山市八尾町で暮らしている。「立山連峰を望む豊かな自然の中での生活を大事にしたい」と言う深井さんのライフスタイルはそのまま、SDGsを伝える活動のエネルギー源となっている。

そんな深井さんが、ネット上でSDGsのアニメ動画を公開するようになったのは4年前。「政府や国連の情報は、難しすぎて分からないという人が多かったのです」と当時を振り返る。

「実際、SDGsが掲げる17の目標と言われてもピンときませんが、要は、私たちのあるべき未来と現状のギャップを示しているのです」と深井さんは言う。つまりSDGsは、今のような開発が続けば、私たちの生活環境はもう持続できないという共通の危機感から「貧困」「飢餓」「健康」「教育」「ジェンダー」「水・衛生」など17の分野で取り組むべき課題をまとめているという。

世界の問題に気づけば
SDGsが動きだす

しかし「17の目標を全部覚えなくても、まずは自分の関心のあるところから入っていけばいいのです」と深井さんはアドバイスする。そんな「最初の一歩」を踏み出してもらおうと制作したのが、親しみやすいアニメ動画だった。公開したアニメはすでに300本以上。作品には、テンポのいい曲に乗って、字幕とアニメのキャラクターが次々に登場してくる。

例えば「貧困」問題では、「『ひんこん』ってなに?」の字幕から、「世界の『ひんこん』10人に1人」などと展開し、「くさりかけの食べ物をご飯に出されている子どももいます」「ゴミ捨て場でみつかった 死にそうな11歳の女の子」などの現状が示されていく。

「子どもにも分かるよう、そもそも『貧困』って何だろう?という切り口で作っていったら、企業や自治体関係者の間にもどんどん視聴者が増えていきました」と深井さんは予想以上の手ごたえを感じた。「分かりやすくて、勇気とやる気が出た」といった声が毎日のように寄せられ、今では学校の授業や企業研修などでも使われている。

そんな反響に応えようと、深井さんは昨年、書籍『小学生からのSDGs』も出版した。本の原稿は当時、小学生の娘さんと保育園児の息子さんに「監修」してもらい、徹底した子ども目線の軟らかい表現にこだわった。

「今、誰が世界のどこで泣いているのか、ということに気づいて、何とかしなければ、と心が動き始めたらSDGsの始まりです」。誰もが最初の一歩を踏み出せるよう、SDGsの本質を丁寧に伝えることにこだわる深井さんの熱い思いは、どこから生まれてくるのだろうか。

(『月刊なぜ生きる』令和4年11月号より)

続きは本誌をごらんください。

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