失敗を糧に、未来へ飛躍!(アニメイトホールディングス・グループ最高顧問 及川武さん)

仕事も、人生も
人と人とのつながりが大切

「人生には、よいことも、悪いことも起きます。つらいこと、苦しいことに出遭わない人はいません。しかし、そこで足踏み期間が長いと、限られた人生の、大切な時間を、無駄にすることになります」

こう語るのは、アニメイトホールディングス・グループ最高顧問の及川武(おいかわ たけし)さん。

仕事や会社発展の秘訣をお聞きしようと、東京・池袋のホテルメトロポリタンにお越しいただきました。及川さんの答えは、仕事だけでなく、私たちの生き方と共通するものばかりでした。

アニメイトグループが発展する過程で、及川さんが大切にしてきたものは、何だったのでしょうか。

アニメイトホールディングス グループ最高顧問・及川武さん

アニメイトグループは、アニメ、コミックス、ゲームなどのエンターテインメントを中心に、多種多様な事業を担っています。

国内すべての都道府県だけでなく、海外にも店舗を拡大している企業です。

及川武さんは、昭和58年に、アニメイトグループの創業に参加し、第一線で活躍してきました。

山崎 来年の春に、世界最大規模のアニメショップ「アニメイト池袋本店」がリニューアルオープンするそうですね。

及川 はい。でも、ここまでは決して順風ではありませんでした。私自身、身を投げざるをえないほどの大失敗をしたこともあります。

大失敗から、自分を立て直す努力をしました。その後、同じような失敗をしないために、読書や、自分を振り返る時間を、毎日欠かさず取るようにしています。

山崎 及川さんは、後進の育成に力を入れておられるそうですが、若い人に、何が大切だと思われますか。

及川 最近の優秀な人を見ていると、優秀であるほど、人の心の機微が、分からない人が増えているように思います。

こんな人がいました。担当する仕事が、毎回、途中で、うまくいかなくなるのです。とても優秀な人なのに、なぜだろうと思って探ってみると、関係者に、自分自身をかばうために、ごまかしをしていたことが分かりました。

ごまかしがばれたら、当然、関係者は怒ってしまいます。そんなことさえ分からないのだろうかと、ビックリしました。

その人は、いい学校へ行き、常に優秀だったそうです。そのため、自分は評価されてあたりまえ、評価されなくなったら存在意義がなくなるという価値観で育ってきたようです。

だから、失敗しそうになると、それをカバーするために演技をしたり、平気でごまかそうとしたりするのです。人の内面にある心地よさを知らない、かわいそうな人だなと思いました。その後、自身の価値観に気づいたようです。

山崎 自分を守ろうとして、ごまかそうとするのですね。

(『月刊なぜ生きる』令和4年2月号より)

全文をお読みになりたい方は『月刊なぜ生きる』令和4年2月号をごらんください。

『月刊なぜ生きる』令和4年2月号
価格 600円(税込)