あなたとともに歩む人生の応援歌
ショッピングモールでの「対話」から歌が生まれる

シンガーソングライター
半﨑美子(はんざき よしこ)さん

全国のショッピングモールを回って歌い続けてきた。当初は足を止める人もまばらだったが、涙を誘う温もりのある歌声に共感の輪が広がり、今はどこの会場も大入りとなる。シンガーソングライターとして22年。琴線に触れる半﨑美子さんの楽曲の特色は、その多くがショッピングモールのサイン会などで出会った人たちの人生ドラマから生まれてきたところにある。メジャーデビューから5年の今も、「日常の生活空間の中でずっと歌い続けたい」と語る半﨑さんに聞いた。

ショッピングモールの歌姫
「みんなのうた」や「紅白」にも

父親の猛反対を押し切って郷里の札幌から上京したのは平成12年、19歳の時。

「当時は東京・駒込のパン屋さんの二階に住み込みで働きながら、自分の歌を吹き込んだCDを持ってクラブなどを回っていました」。その頃、知り合ったピアニストの紹介で、初めて週末のショッピングモールで歌うことになる。

以来、北海道から九州まで、ショッピングモールの舞台はのべ200カ所を超える。「ショッピングモールの歌姫」と称されるゆえんだ。

半﨑さんをまだ知らないという人も、その歌は耳にしたことがあるのではないだろうか。

〈毎朝渡すお弁当は/あなたへのお手紙……〉と語りかける「お弁当ばこのうた〜あなたへのお手紙〜」はNHK「みんなのうた」(平成29年)で親しまれた。令和元年のNHK紅白歌合戦で天童よしみさんが歌いあげた「大阪恋時雨」も、半﨑さんの作詞作曲だ。

取材に応じてくれた半﨑さんは、相手をまっすぐに見つめる澄んだ瞳と、人懐っこい笑顔の持ち主だった。北海道の大地を思わせる豊かな包容力が、ライブの後のサイン会にもたくさんの人を並ばせてしまうのかもしれない。

人生を語るサイン会
「心と心の対話」

ショッピングモールでの彼女のサイン会は一風、変わっている。並んだ人たちがそれぞれ、心に抱える人生の悩みや不安について半﨑さんと語る場になっているのである。その年代は、学生や家族連れからお年寄りまで幅広い。

「楽しくおしゃべりをするというより、心と心の対話なんです。私の歌から話が広がり、大切な人との別れ、家族の苦難など、皆さんが背負う切実な思いを打ち明けてくださいます。私はただお話を聞くことしかできないのですが、互いに心を開いて思いを分かち合える大切な時間なのです」

だから、ライブの歌の時間は約20分でも、サイン会は3〜4時間にも及ぶ。「皆さん、私がお一人お一人と対話して涙を流しているのを見ながら、ずっと待っていてくださるんです。お話の内容はそれぞれですが、『ああ、自分だけじゃないんだな』と感じておられる空気があります。オープンな空間だからこそ、自然な共感が広がるのだと思います」

サイン会に並ぶ一人一人と丁寧な「対話」を重ねる半﨑さん

こうした心の対話の場から半﨑さんの歌は生まれてくる。中でも、半﨑さんにとって忘れられないのが、「明日へ向かう人」という曲。それは平成26年、栃木県のショッピングモールでの、あるご家族との出会いがきっかけだった。

(『月刊なぜ生きる』令和5年1月号より)

続きは本誌をごらんください。

『月刊なぜ生きる』令和5年1月号
価格 600円(税込)

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