【試し読み】中学生の孫が、学校を休むことが多くなりました
中学一年生の孫が、最近、学校を休むことが多くなってきたので、とても心配しています。仲良くしていた友達が自殺したことで、大きなショックを受けているようです。このような時、家族は、どのように接したらいいのでしょうか。
コロナ禍の自粛生活が、子どもたちの心にダメージを与えています
もう間もなく2年になろうとするコロナ禍の中で、子どもたちの心の健康にも大きな影響が及んでいることが、さまざまな報告によって明らかになっています。
昨年、令和2年の日本の自殺者の数は、2万1081人(厚生労働省・警察庁による)で、11年ぶりに前年より増えたことが発表されました。今回の自殺者増の特徴は、女性と子どもの自殺が増えていることで、特に高校生以下の子どもの自殺は、499人と、1978年に警察庁の自殺統計が始まって以来、過去最多の人数となりました。
さらに今年の上半期の子どもの自殺者数は、昨年以上のペースで増えていることも明らかになっています。国立成育医療研究センターが行った「コロナ×こどもアンケート」では、コロナ禍の中で苦しむ子どもたちの生々しい声が多数報告されています。
「コロナで、卒業遠足がなくなりそうです。社会見学もなくなりました。勉強以外の、楽しいイベントがなくなって学校が楽しく感じなくなりました。(小6 女子)」
「きゅうしょくもだまって食べるのがつまらない。(小2 男子)」
「我慢をいっぱいした一年だった。(小5 女子)」
「町内の人がマスクしてない事を学校に言いつけて来るから、町内の人が怖い。どこに居るかわからないから、どこにも行きたくない。(中2 女子)」
「外にでかけにくくなったことが嫌です。公園で遊んでいても、うるさい、密になりすぎると何度か通報されました。(小4 男子)」
「いやな一ねんでかなしかった。(小2 女子)」
「もう死にたい。心の限界が近づいている。(中1 男子)」
「嫌なことがあっても一人で抱え込んでしまう、ついたたいたり、嫌な言葉を言ってしまったりすることがあり自分でも嫌になる。(小5 女子)」
自粛生活が続く中で、友達と会話もできない、遊びに行くこともできない。大人も余裕がなくなりピリピリしているので、相談もできない。すぐ怒られる。そんな中で、長期にわたるストレスが、ボディブローのように子どもたちの心にダメージを与えているのだと思います。
ご相談のお孫さんも、お友達が自殺で亡くなられたとのことで、大変なショックを受けられたことと思います。しかも仲良くされていたお友達であればなおさら、「どうして自分が気づいてあげられなかったのか」「自分があんな言葉を言ったから、あんな態度をとったから自殺したのではないか」と自分を責めておられるかもしれません。そういう気持ちから、元気がなくなったり、自分に自信がなくなったり、悲観的になったりして、結果として学校に行くのもつらくなるのは、無理もないことだと思います。
もしかしたら、お孫さん自身も、「自分も死んだほうがいいのではないか」と思っておられるかもしれません。
ではそういうお孫さんに、家族として、祖母として、何ができるでしょうか。
まず、いちばん大切なことは、孫が学校に行けない時に、それを責めない、ということです。
(『月刊なぜ生きる』令和3年11月号より)
続けて本誌では学校に行けない子どもに対して、どう接したら良いかを紹介しています。
全文をお読みになりたい方は『月刊なぜ生きる』令和3年11月号をごらんください。
『月刊なぜ生きる』令和3年11月号
価格 600円(税込)