Q80代の父が、母の介護をしています

50代・女性

最近、老老介護の末の悲しい事件がニュースになっています。私の両親も80代で二人暮らし、足が悪い母を父が介護している状況です。両親は仲がよいのですが、介護の負担を父が背負い込んでいないか心配です。本来なら、一緒に暮らしたいのですが、現実は難しく、離れて暮らす両親に、どのようなサポートができるでしょうか。

明橋大二先生

高齢者が、高齢者の介護をするケースが増えています

超高齢社会の到来とともに、日本において、高齢者が高齢者を介護する、いわゆる「老老介護」の問題が取り沙汰されるようになりました。

65歳以上の人を65歳以上の人が介護することを、「老老介護」といいますが、その割合は、2001年には、40.6パーセントであったのに対して、2019年には、59.7パーセントとなっています。

さらに、75歳以上の人を75歳以上の人が介護することを、「超老老介護」といいますが、その割合は、2001年には、18.7パーセントにすぎませんでしたが、2019年には、33.1パーセントに達しています。

介護する人の性別は、女性が65.0パーセントとやはり多いですが、男性も35.0パーセントを占めています。(以上、厚生労働省 2019年国民生活基礎調査)

また、認知症の人が認知症の人を介護する、「認認介護」も、決してまれではなくなっています。

中には、認知症の夫の暴言・暴力に、妻がひたすら耐え続けていたり、あるいは夫が、妻の介護のうえに、慣れない家事もすべて担っていたり、介護する側が心身ともに疲弊していくことも少なくありません。その結果、最悪の場合、無理心中を図ったり、介護する側が、介護を要する人を殺害したりするという事件もしばしば起こっているのが現状です。

ご質問のケースは、ご両親の仲はよいとのことですが、それでも高齢のお父さんが介護負担を一人で背負い込んでいないか、心配されるのも無理はないことだと思います。

周囲の人の力を借りることが大切なのに

老老介護の結果、悲しい事件が起きたりすると、よく人は、「もっと早くに人に相談すればよかったのに」とか、「自分たちだけで抱え込まずに、人の力を借りればよかったのに」と言います。

しかし逆に言えば、それが簡単にできれば、そんな事件が起こることはないのです。なかなかそれができない、さまざまな事情があるのだと思います。

私の経験から、いくつかその理由を挙げてみたいと思います。

(『月刊なぜ生きる』令和5年4月号より)

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