Q拒食症になった孫に、どう接していけばいいの?
A自分の存在価値を見失ったことが、拒食症の背景にある

70代・女性

高校3年生で大学受験に向けて勉強を頑張っていた孫が拒食症になってしまいました。部活動をやめて、少し体重が増えたこともきっかけだったようです。私も親も、そんなにプレッシャーをかけたつもりはないのですが、本人はとても気にしていたようです。どのように接していけばいいのでしょうか。

明橋大二先生

自分の存在価値を見失ったことが、拒食症の背景にある

拒食症とは、心理的な原因で、食事を取らなくなり、どんどんやせていく病気です。

少し年配の方なら、「カーペンターズ」という音楽デュオの名前を聞かれたことがあると思います。「イエスタデイ・ワンス・モア」などの名曲で、昭和の時代に一世を風靡した兄妹二人のグループですが、この妹のカレン・カーペンターさんは、1983年、拒食症のため、32歳の若さで亡くなっています。拒食症という病気自体は、100年以上前から存在していましたが、世の中に知られるようになったのは、このカレンさんの死がきっかけだともいわれています。

食事を拒否し、どんどんやせていく状態を、医学的には、「神経性やせ症」といい、経過の中で、逆にむちゃ食い(過食)を繰り返すようになるのを、「神経性過食症」といいます。両方を合わせて、摂食障害といわれることもあります。

どちらかというと女性に多く(男女比は、1対10~20)、病気が始まるのは、ご質問のように、中高生くらいが多く、以前は「思春期やせ症」ともいわれていました。

日本で医療機関を受診している患者数は、約20万人とされていますが、実際の患者数は、40万人ともいわれています。その死亡率は7パーセントで、カレンさんのように死に至る例も少なくなく、心療内科の病気としては、決して甘く見ることはできない病気です。死因は、栄養失調、多臓器不全、自殺などです。

「神経性やせ症」と診断されるのは、標準体重のマイナス20パーセント以上のやせがあり(例えば、身長160センチなら、標準体重は54キロ、そのマイナス20パーセントは43キロ)、それにもかかわらず体重が増えることに対する強い恐怖があったり、体重が増えないような必死の努力(拒食や過激な運動など)があったりする時に診断されます。

(『月刊なぜ生きる』令和5年9月号より)

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