サンプレイの生涯元気塾
なぜ運動すると、骨が強くなるのか
【実践編】いすを使ったあんしん運動
女性に多い骨粗鬆症(こつそしょうしょう)への対策
高齢になってくると、ちょっとしたことで骨折することがあります。
朝起きる時に、布団の上で転んでしまい、いつまでも痛みが引かないので病院に行ってみると骨折だったというような話を聞いたことがないでしょうか。
このように、若い頃には考えられないような骨折が、年とともに出てきます。いわゆる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)です。
これは骨がもろくなっているためです。中高年の間で増えてきた骨の病気です。
骨粗鬆症とは、硬くて丈夫なはずの骨が、軽石のようにスカスカになり、もろくなった状態をいいます。この病気は、特に女性に多く、閉経をきっかけに症状が進みやすいので、更年期以降の女性にとっては深刻な問題です。
骨は、古くなったものを壊しては、新しいものを作り出すという代謝を繰り返しながら、30歳頃までは成長を続けます。この、骨の新陳代謝に深く関わっているのが、女性ホルモンや男性ホルモンです。このうち、女性ホルモンは妊娠、出産にも大きく関係しており、閉経して子どもを生むことがなくなると分泌量が低下します。それに伴って、骨の破壊と再生のバランスが崩れ、骨量(骨に含まれるカルシウム量)も減っていきます。
もともと女性は、男性に比べて骨量が少なめです。同時に、男性に比べて運動量が少ないことも、女性に骨粗鬆症が多い理由の一つと考えられています。男性ホルモンの分泌量も加齢とともに少しずつ減少していきますが、閉経期の女性ホルモンほど急激な減り方はしません。そのため骨粗鬆症になる男性の数は女性の約四分の一ほどにとどまっています。
近年、骨粗鬆症のことがマスコミで盛んに取り上げられるようになりました。「骨粗鬆症→骨折→ 寝たきり→認知症」といった流れで語られることが多く、必要以上に恐怖心をあおるような傾向もなきにしもあらずですが、用心するに越したことはありません。
年を取るにつれて骨量が減るのは、自然のなりゆきです。怖がりすぎずに、この病気を正しく理解して、予防に努めましょう。仮に、骨粗鬆症と診断されても、適切な治療を行えば進行を止めたり、骨量を増やしたりすることも可能なのですから。
(『月刊なぜ生きる』令和4年11月号より一部抜粋)
サンプレイの生涯元気塾
トレーニングセンター「サンプレイ」会長・宮畑豊さん
が、筋肉にも関節にも優しく、何歳からでも始められる
トレーニングを紹介します。
本誌では、いすを使ったあんしん運動【①つま先タッチ ②つま先の屈伸 ③片足スタンプ】を図解入りでご紹介しています。
『月刊なぜ生きる』令和4年11月号
価格 600円(税込)