古典を楽しむ『徒然草』

思ったことを言わないのは、
 「腹ふくるるわざ」ですよ(第19段)

【意訳】

季節が移り変わる様子を見ると、しみじみと感じるものがあります。感動したことを筆にまかせて書いていくと、「ちょっと待って。そんなことは、すでに『源氏物語』や『枕草子』などに、言い古されているでしょう。また同じことを書くの?」と指摘を受けそうです。

だからといって、私はやめようとは思いません。思っていることを言わず、我慢していると、腹がふくれてきますからね。

これからも、気ままに書いていきます。つまらない慰み事ですから、書き散らしては、破り捨てるつもりです。


【解説】

これは、『徒然草』の誕生秘話とも言えるでしょう。

『徒然草』は、現代の作家のように、締め切りに追われて書いたものではありません。兼好法師が、心の中にわき上がった思いを、自由に書いていったものだったのです。

兼好法師は、思っていることを言わずに我慢していると、どんどん腹がふくれていく気がして、つらいと言っています。そういうことは、私たちにもよくありませんか。

心にたまっていることを、気楽に書きつづっていくと、気持ちが軽くなっていきます。自分なりの『徒然草』を書いてみるのもいいでしょう。

(『月刊なぜ生きる』令和5年10月号より)

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