【第4回】日々を彩る書道エッセイ 花咲く書道|今月のテーマ「幸」

花咲く書道家・永田紗戀(ながた されん)さんの連載が、『月刊なぜ生きる』令和3年12月号より始まりました♪

今月のテーマにまつわるエッセイと、花咲く書道の描き方を写真付きでご紹介。
見るだけで心に花が咲いたような、気持ちが和らぐコーナーです。

帰宅すると祖母の布団が動いているかをまず確認。

動いているとホッとして、ため息をつく……。それは桜が咲きそうな春でした。

「もう、桜咲いたかね?」

祖母の〝おかえり〟はこの言葉になっていました。

二人だけの家、一日はとても長く、どれだけ、どれだけ尽くしても、祖母はどんどん小さくなっていく気がしました。

痛いだろうに、つらいだろうに、いつも幸せそうなのです。

そして毎日のように、あの桜が咲いたかどうかを聞いてくるのです。

「……あの桜が咲いたら、治るかな?」

しわくちゃの祖母の手をさすりながら言葉にした瞬間、冗談で言ったつもりが、涙があふれてきてしまいました。

最愛の人と離れる日が近いと分かっているのに、なぜこんなにも頑張らなければならないのだろう。咳き込むほどに大きな声で泣きながら、ああ、泣きたかったんだと、どこか冷静に感じてもいました。

泣き疲れて、ふと顔を上げると、やっぱり幸せそうな笑顔で私を見ています。

プロフィール

花咲く書道家
永田紗戀(ながたされん)

言葉から生まれる絵のような書。
唯一無二の世界観で多数の作風を描き出し、幅広い年齢層の女性たちに支持される。

永田紗戀公式ウェブサイト

(『月刊なぜ生きる』令和4年3月号より一部抜粋)

お互いを想い合う深い絆に胸が熱くなりました。

作品の温かな笑顔からも、幸せが伝わってきますね♪

本誌では、エッセイ全文と花咲く書道の描き方を写真&アドバイスつきでご紹介しています。

▼今回の作品はこちら▼

詳しくは『月刊なぜ生きる』令和4年3月号をごらんください。

『月刊なぜ生きる』令和4年3月号
価格 600円(税込)