鎌倉殿と『歎異抄』|日本史上初のアイドル・義経

鎌倉駅から、江ノ電*に乗ります。

昔ながらの懐かしい電車です。

素朴な造りの駅舎が多いのも魅力。

やがて、電車の窓から相模湾が見えてきます。目の前に広がる海を眺めていると、ヨットやウインドサーフィンを楽しむ人たちが通り過ぎていきました。自然と、「旅に来た」という実感がわいてくるエリアです。

前回は、江ノ電の「長谷」で降りましたが、今回は、「江ノ島」の一つ手前の駅「腰越」まで行きましょう。

腰越には、源義経の旧跡があります。

しかも、義経の人生を、山の頂上から谷底へ突き落とすターニングポイントとなった場所でもあるのです。

「義経」というと、何を思い出しますか。

牛若丸、弁慶、「勧進帳」……。

NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、義経を、菅田将暉さんが演じていますね。

義経は日本史上初のアイドルだ、と言ったのは、小説家・井沢元彦氏です。『英傑の日本史』に、次のように書いています。

源義経が生きた平安時代末期から鎌倉時代初期というのは、まさに日本史上有数の大変革期であった。(中略)そうした大変革期には、時代の流れを急速に変える人間が必ず出現する。人はこれを「英雄」と呼ぶ。(中略)それが義経であり、鎌倉幕府の創設者でもある、兄の頼朝なのである。しかし、義経は単に英雄であるだけではない。日本史上初めてと言っていい「アイドル」でもあった。

敵にも味方にも愛され、日本中で人気者になった義経に、腰越で、一体、何が起きたのでしょうか。

*江ノ電……江ノ島電鉄

(『月刊なぜ生きる』令和4年4月号より)

続きは本誌をごらんください。

『月刊なぜ生きる』令和4年4月号
価格 600円(税込)