勉強するのは何のため(その2)
受験勉強をすれば、富と地位が得られるのか
学校でよい成績を取るのは、何のためか。試験勉強に限定して、その目的を探求しましょう。
まず参考にしたいのは、慶應義塾大学の創立者・福沢諭吉の主著『学問のすゝめ』です。その冒頭に書かれた「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」は、不朽の名言として知られています。生まれによって身分の高低が決まってしまう古い制度を否定し、すべての人間は平等だと主張したのです。
では、なぜ現実には、富める人、貧しい人、地位の高い人、低い人がいるのでしょうか。福沢の答えは明快です。学問のある人は、地位のある仕事に就いて金持ちになり、そうでない人は反対になる。格差の原因は、学問の有無にあるというのです。
単純に言ってしまえば、「学問の目的は一万円札」ということでしょう。ただし、福沢の勧める「学問」は、読み書き算盤をはじめ、科学や経済・法律など、実生活に役立つ学問ですから、受験勉強などは入らないのかもしれません。ですが、今日の子どもたちに要求されているのは、入試を突破するための勉強ですから、そういう受験勉強をすれば、富とステータス(地位)が得られるのか、検討したいと思います。
(『月刊なぜ生きる』令和5年10月号より)
続きは本誌をごらんください。
『月刊なぜ生きる』令和5年10月号
価格 600円(税込)